お魚ハンターはる|純粋に「釣り」を愛する東北・宮城のYouTuber

「お魚ハンターはる」さんは、東北地方を拠点に活動しているYouTuber。その名のとおり、釣りでさまざまなお魚をハンティングする動画をお届けしているそうです。宮城県塩竈市の出身で、県内の釣り場にもたびたび足を運んでいるというはるさんに、YouTuberになるまでの道のりや、現在の活動内容についてお伺いしました。

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運命を変える「釣り」との出会い

もともとYouTuberを目指していたのでしょうか。

──いや、全く(笑)僕の前職は小学校の教員です。昔から先生になりたいと思っていたのですが、実際になってみると、むちゃくちゃ忙しくて。全校生徒80人という小さい学校だったので、一人の教員が担当する事務仕事が多かったり、そのせいで子どもたちと向き合う時間がとれなかったり。

理想と現実があまりにも違ったことで、教職に就いて1年目でうつ病になってしまったんです。当初は、ベッドから起き上がることすらできないくらいの状態だったので、3ヶ月ほど休職することになりました。その時、釣りに出会ってしまったんです。

出会って“しまった”んですね。

──まさか、釣りでこんなに運命が変わるとは思っていませんでしたからね。

僕が釣りと出会ったのは、仕事を休職して心と身体を休め、少しずつ動けるようになってきたな、というタイミングでした。とはいえ、まだ前向きな気持ちにはなれずにいた頃、大学時代の友人から釣りに誘われたんです。

友人は、同時に釣りのYouTube動画も紹介してくれました。僕は海釣りしかやったことがなかったのですが、いい年したおじさんたちがワーワーキャキャー言いながらバス(=ブラックバス)釣りを楽しんでいる動画を見て、純粋に「やってみたいな」と思いました。

結局、友達と一緒に初めてバス釣りに行った時には一匹も釣れなかったんですが、外に出たことでリフレッシュできましたし、釣りが新しい趣味になりました。釣りをきっかけにだんだんと気持ちも前向きになり、職場の上司や先輩もサポートしてくれたので、仕事に復帰するまでに元気になれたんです。大袈裟な言い方かもしれませんが「釣りに救われたな」と思っています。

教員からラーメン屋、そしてYoutuberへ

動画の投稿を始めたのはいつからですか?

──教員の仕事を辞めたあたりですね。しばらくは教員を続けつつ、休みの日に釣りを楽しむという生活を続けていたのですが、初任地の学校からさらに規模が小さい学校に異動して、ますます子どもたちと向き合う時間がとれなくなってしまったんです。

それに、同僚の先生たちはいい人ばかりだったんですが、「こんなに優秀な人たちでも、教員になると忙殺されてしまうんだ」と気づいてしまって。この生活を定年まで続けるのは厳しいと感じ、教員人生に区切りをつけることにしました。

とはいえ、動画の投稿を始めた当初は、趣味の延長でしかありませんでした。YouTubeで食べていこうとは全く思っていなかったです。

そこからYouTuberになるまでの経緯を聞かせてください。

──退職後は、友人を通じた縁もあり、ラーメン店で働き始めました。その間も、「友達に見てもらおう」くらいの気持ちで釣りの動画投稿を続けていたのですが、だんだんと見ず知らずの方も見てくれるようになったんです。やっぱり、視聴者が増えると気合いが入るんですよね。

ラーメン店では正社員として働いていましたが、副業OKだったので、在職中に自分のYouTubeチャンネルを収益化しました。でも、店長に昇格してからはどんどん忙しくなり、抱えるストレスが増えてしまって。釣りや動画編集の時間も取りにくくなりました。それでも無理して働いていたら、教員一年目の時のように体調を崩し、突然仕事に行けなくなってしまったんです。

その時、僕は、思い切ってYouTubeに本腰を入れることに決めました。正社員や店長としての地位を手放すことに少なからず葛藤はありましたが、「体を壊してまで今の働き方を続ける必要はないな」という考えに至ったんです。うつは本当に大変だったけど、本当に大切なものを見極め、「いいな」と思える方に軽いステップで踏み出せる自分になったことは、本当に良かったと思っています。

はるさんのイチオシの動画。大冒険が始まりそうでワクワクします……!

収益よりも釣りへの「愛」

現在はどんな動画を投稿されていますか?

──首にかけたGoPro(=ウェアラブルカメラ)で、自分が釣りをする様子を撮影した動画がメインです。ひと口に釣りといってもいろいろなジャンルがあるのですが、僕は淡水魚をルアーで釣るのが好きですね

主な内容は自身の釣りの成果です。企業からPR案件の話が来ることもありますが、せっかく僕の動画を楽しんで見てくれている視聴者の方々を売るようなことはしたくないので、自分が紹介したいと思ったスポット・商品だけを取り上げています。完全に「自分のやりたいことをやって動画にしてる」って感じです(笑)

僕自身が釣りに出会ったきっかけはYouTubeでしたし、人生どん底にいたところから釣りに救ってもらいました。そこまで大袈裟なものでなくとも、釣りの楽しさや面白さをたくさんの人に伝えられればと思っています。

釣りへの深い「愛」を感じますね。

──正直、YouTubeだけで食っていくにはまだまだなのですが、釣りは僕のライフワークなので。食べていくための仕事である“ライスワーク”としてラーメン屋でアルバイトをしながら、これからも釣りとYouTubeでの活動を続けていきたいと思っています。

ただ、釣りは自然の中で行う以上、環境に影響を与える可能性もあります。残念ながら、ルアーや釣り糸が水中に引っかかったものを放置したり、釣り場にゴミを捨てたりする人がいるのも事実なんです。

こうした問題をなんとかしたいという思いから、2024年7月に、釣具・アパレルブランドのHUNTER’S DESIGNを立ち上げました。障害物に引っかかりにくいルアーや、ゴミ袋付きのフィッシングメジャーなどを販売しています。

おじいちゃんになってもみんなが釣りを楽しめる環境づくりに取り組んで、少しでも釣りに恩返しがしたいです。

自分の「好き」を信じて突き進む

これからの展望を教えてください。

──最近は、「大きな魚を釣ること」「数をたくさん釣ること」などは二の次になり、誰と、どこに釣りに行って、どんな話をして過ごすかを大切にしています。人生についてといった深い話はもちろん、くだらない日常の話も多いですが、それもまた良いんですよね。

そういった意味で、YouTubeやSNSでの発信を通して繋がった釣り仲間との縁は、僕にとってかけがえのない財産になっています。この記事を最後まで読んでくださったあなたもその一人です!これからも、“お魚ハンターはる”としての活動を通じて、人との縁を広げていきたいと思います。

実は僕、釣りが好きすぎて海外にも行っているんです(笑)2024年は台湾に行きましたが、2026年には長年の夢だった南米のアマゾンに行きます。こんな釣り好きの僕の挑戦を見守ってもらえたら嬉しいです。

視聴者の方と一緒に楽しむ釣りのツアーも企画しているので、ぜひチェックしてください!

読者の皆さんにメッセージをお願いします。

僕にとって、釣りは人生を豊かにしてくれるものです。これを読んでいる皆さんにとっては別のことかもしれませんが、何だっていいです。何か一つ、夢中になれるものを持っていてほしいと思います。

なぜなら、好きなことを突き詰めることや、そこで出会った人との繋がりは、きっとあなたを幸せにしてくれるからです。もしかすると、僕のように人生に行き詰まった際に、趣味や人に助けられることもあるかもしれません。

お互い、自分の「好き」に蓋をせず突き進んで行きましょう

Fio

“好き”にまっすぐな生き方にシフトしたはるさんのお話に勇気をもらえました。これからも、釣りに情熱をかけるはるさんの挑戦に注目です!

「好きなことやってる“今”が一番楽しいです」とはるさん。その言葉のとおり、釣竿を手にした瞬間に最高の笑顔を見せてくれました!

プロフィール

お魚ハンターはる
YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/@osakanahunter
Xhttps://x.com/tsurimanM
Instagramhttps://www.instagram.com/tsurimanm
HUNTR’S DESIGNショップhttps://hunterdesign.base.shop/
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この記事を書いた人

宮城県在住歴30年超のWebライター。前職は県庁職員。県内全市町村に足を運ぶ中で出会った場所やお店、人の魅力を発信中。「人と話すこと」と「美味しいものを食べること」が大好き。

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