仙臺すずめ踊り市民祭連「◆朱雀」|歴史をつなぎ、未来へ羽ばたく音と舞

毎年5月に行われる「仙台・青葉まつり」をはじめ、さまざまなお祭りやイベントで披露される「すずめ踊り」。そのはじまりは、石工と呼ばれる石垣づくりの職人たちの踊りだといわれ、400年以上の古い歴史があります。

その踊りはやがて市民の手に受け継がれ、今では「祭連(まづら)」と呼ばれるチームごとに活動する文化となりました。今回は、その中でも25年以上の歴史を誇る祭連「◆朱雀(すざく)」をご紹介します。

目次

羽ばたき続ける祭連 ◆朱雀

はじまりは5人から

◆朱雀の結成は1998年。当初はたった5人からのスタートでした。知人づてに声をかけながら少しずつ仲間を増やし、同年の仙台・青葉まつりには50名を超える人数で参加。初出場にもかかわらず、若林区長賞を受賞しています。

これまでには、仙台市の姉妹都市である愛媛県宇和島市をはじめ、県外での演舞も経験。さらに、ベラルーシや台湾に派遣され海外公演も行うなど、すずめ踊りの魅力を国内外へ発信してきました。

現在は、結成当初から活動を続けるメンバーから大学生の若手まで、幅広い世代が在籍。世代を超えて、すずめ踊りをつないでいます。

「◆」に込めた思い

ちなみに、結成当初の名前は「朱雀」だったのだとか。そこから、画数を意識して「◆」の一画を加え、現在の名前になりました。

そのため、発音こそしないものの、「◆」は正式な団体名の一部。単なる記号ではなく“名前”なので、必ず◆朱雀と表記してほしいという思いがあるそうです。

踊りと音に宿る◆朱雀の個性

粋をまとう舞

すずめ踊りには基本となる踊り方がありますが、振り付けには祭連ごとにアレンジが加えられることもあります。それぞれの祭連の個性が際立つ部分であり、すずめ踊りの見どころの一つです。

メンバーが語る◆朱雀の踊りの特徴は、「粋でかっこいい」こと。他の祭連にはないような振り付けも取り入れながら、より良い踊りになるよう変化を重ねています。

また、真っ白な法被(はっぴ)に、文字の色や帯などの赤色が映える衣装も◆朱雀ならではの魅力です。

響きを極めるお囃子(はやし)

もう一つの大きな特徴が、お囃子の完成度の高さです。すずめ踊りのお囃子は、大太鼓、小太鼓、笛、鉦(かね)の4つのパートで構成。お囃子全体が作り出すリズムと旋律が、踊りを支え、引き立てています。

そのレベルはとても高く、聞いていても、踊っていても「気持ちいい」のだとか。踊り手の中には、「◆朱雀のお囃子じゃないと踊れない」と話す人もいるほどです。長年の積み重ねによって、踊りもお囃子も磨かれ続けているといいます。

メンバーが語る、各パートの魅力

祭りの花形 踊り手

踊りの様子

すずめ踊りは、もともと即興性のある踊り。歴史を感じながらも、型に縛られすぎず、自由に表現できるのが魅力なのだとか。さらに、仲間と一緒に踊ることで、自然と心がひとつになる感覚も味わえます。

その楽しさから、「気がついたら10〜20年以上続いています」と話す方も多数。体を動かすことで体力づくりにもなり、「踊ること」そのものが日常の活力になっているそうです。

迫力と存在感で魅せる大太鼓

大太鼓の演奏の様子

大太鼓は、お囃子の4つのパートの中でもっとも大きい楽器。その分、会場に音がよく響き、ひときわ目を引く存在です。迫力ある音を体全体で感じながら叩けることが、楽しさにもつながっているといいます。

長年にわたって大太鼓を務めるメンバーは「自分で言うのもなんですけど、叩いている姿は見栄えがする。かっこいいからやっています」と語ってくれました。

細やかなリズムを刻む小太鼓

小太鼓の演奏の様子

休むことなくリズムを刻み続ける小太鼓。ひとつひとつの音は控えめでも、お囃子になくてはならない存在です。大太鼓や鉦とのアンサンブルを感じられることも、面白さの一つだといいます。

「小太鼓があるからこそ、一体感が出る」そんな声も聞かれる、縁の下の力持ちのパートです。

全体を締める鉦(かね)

鉦の演奏の様子

鉦は、お囃子全体のリズムを整える重要なパートです。「鉦が狂うと、全部ダメになる」と言われるほど、その役割は大きなもの。

現在、◆朱雀で鉦を担当しているのは一人だけ。その分、強い責任感を持って演奏しているといいます。

旋律で舞を彩る笛

笛の演奏の様子

笛は、メロディを奏でられる楽器ならではのメリハリある演奏で、お囃子全体に表情を与えるパートです。その音色に惹かれて、このパートを選んだというメンバーも少なくありません。

ただ、中には「持ち運びがコンパクトだから」という理由で始めた方も。きっかけはくすっと笑える理由ですが、「練習で吹くのも楽しい。でも、お祭りの場で吹くともっと楽しい」と、今では笛にすっかり魅了されているようです。

楽しみは「仙台・青葉まつり」だけにあらず

◆朱雀の晴れ舞台

舞台上での演舞

祭連にとっての大舞台は、やはり「仙台・青葉まつり」。90万人以上が集まる場で、練習の成果を発揮します。コンテストも同時に行われるため、自然と気合いも入るのだとか。

また、すずめ踊り発祥400年を記念して2003年に始まった「夏まつり仙台すずめ踊り」にも出演。仙台駅東口の宮城野通りを通行止めにして行われる「大流し」や、会場内のステージ・路上で演舞を披露します。

そのほかにも、依頼に応じて地域イベントや各種催し物にも出演。すずめ踊りの魅力を、さまざまな場所で届けています

日々の練習も楽しみのひとつ

練習風景

練習は、月に1回の定例練習会が基本。祭りの時期が近づくと、練習回数を増やして本番に備えます。音に合わせて体を動かし、仲間と息を合わせる。そのひとときは、日常とは少し違う特別な時間になります。

そして、仕事以外の場で、さまざまな年代・さまざまな境遇の人と出会える。踊りや演奏以外に、そんな楽しみもあるのだと、メンバーの一人は教えてくれました。

「見る側」から「担う側」へ

それぞれのきっかけ

鮮やかな赤の扇子が映える舞の様子

「お祭りが好き」「踊りをやってみたかった」「楽器を演奏したかった」「新聞や広告を見て興味を持った」など、◆朱雀に入会した理由は人それぞれです。

また、踊り・お囃子ともに、まったくの未経験からスタートした方も決して珍しくありません。居住地や仕事、育児の関係で練習への参加ペースはさまざまですが、なかには数回の練習で本番の舞台に立った方もいるそうです。

さらに、妊娠・出産による休会などを経て、再び活動を再開するなど、ライフステージに合わせて関わり続けられるのも、◆朱雀の特徴。今では、親子で参加している方もいらっしゃいます。

新たな仲間、募集中

メンバーの集合写真

現在、◆朱雀では、新しい仲間を募集しているそうです。

踊りに興味がある方も、楽器に挑戦してみたい方も大歓迎とのこと。見学・体験も受け付けているそうです。参加条件は、中学生以上で、踊り手は40歳までお囃子は50歳まで。あくまで入会時点での年齢制限なので、一度入会すれば、40歳・50歳の年齢を超えても活動し続けることができます。

◆朱雀に興味を持った方は、ぜひ一度、練習の様子をのぞいてみてはいかがでしょうか

お問い合わせ

仙薹すずめ踊り市民祭連 ◆朱雀
事務局所在地〒980-0011
宮城県仙台市青葉区上杉2-4-8-212
電話番号022-268-0811
メールアドレスsuzaku@mbh.nifty.com
ホームページhttp://suzakuzakuzaku.web.fc2.com/
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この記事を書いた人

宮城県在住歴30年超のWebライター。前職は県庁職員。県内全市町村に足を運ぶ中で出会った場所やお店、人の魅力を発信中。「人と話すこと」と「美味しいものを食べること」が大好き。

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